公開日 2022.03.25  更新日 2023.03.28

売上予測(フォーキャスティング)を狂わせる可能性の高い5つの要因

優れた予測を立てていても、予期せぬ状況によってその予測が狂うことがあります。ここでは、予測に影響を及ぼす可能性の高い5つの要因と、それらを回避するための対策をご紹介します。

目次

    売上予測は不正確なものです。Miller Heiman Groupの調査(※1)によると、営業部門が獲得すると予測した案件の50%以上は成約に至らないといわれています。

    不正確な「推測」をやめ、 正確な「予測」をするためには、戦略的な見直しが求められます。また、取り組むべきビジネス上の課題を正しく把握し、その解決方法を明らかにする必要もあります。ここから、売上予測を狂わせる5つの要因を紹介します。また、それぞれを回避するための対策も併せて述べていきたいと思います。

    不正確で古いデータに依存する

    精度の高い売上予測(フォーキャスティング)を行う秘訣はデータにあります。過去の実績を見て、それを現在のトレンドと比較し、第三者のインサイトと組み合わせることで、予測の正確性を上げていきます。当然、データの質が悪ければ、予測の精度も落ちることでしょう。

    Forrester社の調査(※2)によると、営業リーダーは、3人に1人がデータに基づくインサイトを完全に無視していると言われています。その代わりに、直感や経験、個人的な見解に基づいて意思決定を行っています。

    デジタル経営が進む今、「成功すること」へのプレッシャーが高まっています。それにもかかわらず、多くの企業はデータを正しく理解するのに苦労しており、結果として目標を達成することにも苦しんでいます。売上予測が目標を下回り、結果として、売上目標を達成できないでいる理由は、データを正しく取得できていないことにあります。

    解決の方向性:組織全体のデータの一元化

    データの一元化は、企業が持続的に成長するための強固な基盤を築くことにつながります。企業は、リアルタイムに営業活動のあらゆるインサイトを得られるためのソリューションを選択するべきです。信頼できるインサイトがあれば、それに基づいてプランをアップデートし、最適化した形で実行することができます。

    部門のサイロ化

    部門のサイロ化は、企業が直面する可能性のある最大の問題の1つですが、その事実に気づいていない企業は多いかもしれません。サイロ化はビジネスの効率性に影響を与え、さらには部門間の関係をも悪化させます。

    従来の事業計画は、組織内の孤立したチームによって検証して、作成されていました。しかし、このような個別の計画は変動の激しい市場の変化に迅速に対応することができず、棚上げされてしまうことがよくあります。市場の状況に応じた軌道修正やピボットは、スプレッドシートや停滞した文書のやり取りでは達成できないものです。

    解決の方向性:社内連携のためのデータの一元化

    社内の連携を図るには、すべてのデータを一元的に管理する必要があります。また、営業計画のプロセスにおいては、戦略、テクノロジー、人材を適切に組み合わせることが重要です。

    インテリジェントな営業フォーキャスティングツールと従業員のアラインメントを統合させることで、すべての部門とプロセスのオペレーション  を連携させることができます。これにより、協力的で、動的、そしてインテリジェントなビジネスプロセスが実現するのです。

    希望的観測に基づいた数値設定

    「これが私たちの売上目標であり、もうすでに決まっているものです。営業チームはこの目標を達成する必要があります」    

    これは、営業リーダーからよく聞くフレーズではないかと思います。

    このような考え方は、計画と実際のパフォーマンスとの間に大きなギャップが生じるリスクがあります。客観性や合理性、あるいは事実や証拠に基づいて営業目標を決めるのではなく、営業チームが対応できるという思い込みや、希望する数字に基づいて意思決定を始めると、遅かれ早かれ事態は悪化していくでしょう。

    解決の方向性:AIを搭載したフォーキャスティング ソリューションの活用

    戦略的な成長とは、売上が伸び悩んでいる時期でも、ビジネスの生産性を高め、企業を成功に導くものです。SiriusDecisions社の調査(※3)によると、適切な営業目標は、売上高の増加、営業部門への投資に対するリターンの向上、市場での認知向上、事業計画プロセスとの整合性向上などのメリットにつながります。瞬間的にコストを投下して獲得した短期的な売上ではなく、長期的な持続可能な売上を目標とすることができるようになります。

    例年通りの結果になるという過信

    コロナ禍を経験して、例年通りにならないと言うことが、身に染みて得た教訓といえるでしょう。企業は自社の営業状況を改めて見定め、彼らの実績や目標、そして営業計画において、どのような変更を行うべきなのかを思考して実行していく必要があります。

    解決の方向性:混乱を想定した計画策定

    困難を乗り越えるためには、組織は最新の信頼できるデータに基づいて、ほぼリアルタイムに計画の軌道修正を行う必要があります。今日のダイナミックな市場と競争の激化に伴い、進化する市場の状況をモニターして、迅速に対応しなければなりません。こうすることで、目標達成に向けた軌道修正が可能になるのです。

    Xactly社の調査(※4)によると、75%の回答者がパンデミック後に売上目標を変更したことが明らかになりました。安定した成長と収益性をもたらすために計画を変更することは企業として骨の折れるアクションではありますが、全ての企業がその変更を行うのに苦労したというわけではありませんでした。インテリジェントなフォーキャスティング ソリューションを使用している企業は、その変更をより容易に実行することができました。

    こういったインテリジェントなツールを採用することで、企業は健全な売上予測を行うことができます。健全な売上予測を行うことで、企業は不利な競争や市場の急な変化から身を守り、現在と未来に適応した計画を立てて、自社を成功に導けるのです。

    営業リソースの配置ミス

    チームが効果的に働くためには、最適なプロセス、情報、テクノロジーを備える必要があります。それらがなければ、企業はどのリソースが影響があったのか(なかったのか)を把握できません。

    例えば、ワークロードの少ないチームがある場合、そもそもアクティビティが不足しているため、生産性も低いでしょう。一方、オーバーワークで働いているチームがあっても、リソースが手薄になってしまい、最適なレベルの活動ができなく生産性は低くなるでしょう。これでは、貴重な人的リソースを有効活用できていません。

    解決の方向性:データからインサイトを得て、リソースを最適に配置

    売上予測にリソース配分を含めることで、リーダーは効率的な販売を行うために自社が将来的に必要とするリソースを特定できます。これらの予測は通常、過去と現在のプロジェクトデータを使用して、顧客とその進化するニーズに対応するために、雇用、維持、または解雇すべき人員の数や、どのようなスキルセットが必要かを計画します。ここで、インテリジェント・フォーキャスティング・ソリューションを活用することで、企業はいつどこにリソースを追加すべきかを把握できるのです。

    正確な売上予測は、企業がより良いビジネス上の意思決定を行うのに役立ちます。また、短期的および長期的な業績を予測するために、全体的な事業計画、予算編成、商談管理などにも役立ちます。

    売上予測精度を最大化するために

    インテリジェント フォーキャスティング テクノロジーを用いて、予期せぬ混乱に備え、売上目標達成に向けて軌道を維持しましょう。売上予測の詳しい立て方については「>売上予測(フォーキャスティング)とは? 計算方法と正確な予測を可能にするツールをご紹介」をご覧ください。

     

    出典
    ※1:Miller Heiman Group
    ※2:Forrester社
    ※3:SiriusDecisions社
    ※4:Xactly社

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    執筆者

    松波 孝治 Xactly株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。

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