公開日 2022.12.07  更新日 2023.04.04

営業パイプライン分析のポイント。分析の手順やKPIについて

営業パイプラインとは、営業ファネルに潜在顧客を取り込み、最終的に新たな顧客になってもらうまでのロードマップです。そして、その営業パイプラインの分析は、人材/プロセス/ツールを活用して、売上の可能性が最大化される最適な状態を常に確保しておくために行われるものになります。

では、営業パイプライン分析では、どのような指標を分析すべきでしょうか。そして、どのような分析を行えばいいでしょうか。このブログでは、そんな疑問にお答えします。

目次

    本ブログの要旨

    • 営業パイプライン分析によって、営業プロセス全体やステージごとに詳しく可視化することができる
    • 営業パイプライン分析は、営業部門が行っても、部門横断型のチーム(マーケティング、営業、財務、カスタマーサクセスなど)が行っても構わない
    • 営業パイプライン分析では、商談数、営業サイクルの長さ、平均的な商談規模、成約率などの重要な指標を測定する
    • CRM(顧客関係管理)やフォーキャスト/パイプライン管理専用ツールなどのテクノロジーツールを活用し、データドリブンで洞察を得て、フォーキャスト精度を最大化するべきである

    営業パイプライン分析とは?

    営業パイプラインとは、営業プロセスに送り込まれた潜在顧客が辿るステップを全体的かつ視覚的に表したものです。見込み客がどのステージ(認知や興味など)にいるのかに注目するのが営業ファネルですが、営業パイプラインでは、各ステージで実行されるアクション(潜在顧客の発掘や有望な見込み客の抽出など)に注目します。

    そして、それらのアクションを評価する際に行われるのが、営業パイプライン分析です。

    営業パイプライン分析では、パイプライン全体を分析することも、各ステージを詳しく分析することも行います。この分析によって、次のような疑問に対する答えを見つけることができます。

    • どのような活動が潜在顧客を見込み客に変えるのに役立っているのか?
    • どのステージで潜在顧客は行き詰まり、見込み客ではなくなるのか?
    • どこで最もコンバージョンが起こっているのか?
    • どのくらいの金額が、特定期間においてパイプラインから売上に至っているのか?

    営業パイプライン分析が根付いていくことによって、パイプライン上の問題を迅速に特定・解決し、継続的に改善できます。引いては、売上の予測可能性を強化できるようになるのです。

    >営業パイプラインの概要についてはこちらで解説しています。

    営業パイプライン分析の手順

    ここからは営業パイプライン分析の手順について紹介していきます。

    営業パイプラインを定義する

    営業パイプライン分析は、営業パイプラインを定義することから始まります。つまり、営業パイプラインに関わる人材、プロセス、ツール、戦術をすべて特定し、各要素の役割を視覚化・言語化します。

    分析する責務を割り当てる

    一般的には、営業部門が営業パイプライン分析を行います。しかし、レベニューオペレーション(RevOps)モデルを採用している組織では、マーケティング、財務、カスタマーサクセスなど、部門横断型の部門に、この分析を任せることも可能です。

    KPIを特定する

    各組織にとって、パイプラインのパフォーマンスを測定するのに適切な重要成果評価指標(KPI)を特定してください。営業パイプライン分析で一般的に測定されている指標を後半で詳しくご紹介します。

    テクノロジーツールを活用する

    SFA/CRMシステムはもとより、フォーキャスト/パイプライン管理プラットフォームがあれば、営業活動データを昇華させてパイプラインに関するインサイトを導くことが可能になります。最近では、AIや自動化を適用したセールステックとして導入が進んでいます。特に、レポートの自動化、フォーキャスト(売上の読み)の精度の確保を実現する場合は、これらのツールを営業パイプライン分析の一環として活用するべきです。

    レポーティングプロセスを組み込む

    可能な限り、営業パイプライン分析した結果のレポーティングプロセスを組み込みましょう。すでにKPIを特定できているのであれば、次のような質問の答えについて考えてみてください。

    • 誰に分析結果レポートを提供するべきか?
    • どのようにレポートからアクションプランを導くのか?
    • どのようなプロセスを通じてKPIを継続的に追跡するのか?

    営業パイプライン分析で測定すべきKPI

    パイプラインの現状および将来のパフォーマンスを客観的に測定するには、特定の指標に注目することが重要になります。営業パイプライン分析では、以下の指標が測定されることが一般的です。

    商談数

    定義:ある時点におけるパイプライン内の有望な商談件数
    重要性:商談数は、営業パイプライン分析時点における潜在的な総売上高を表します。見込み客を創出する取り組み(リードジェネレーション)が適切に機能しているかも知ることができるため、時間をかけて理想的なパイプライン規模を特定し、営業部門の効果を最大化させることができます。

    セールスサイクルの長さ

    定義:商談が最初にパイプラインに登録されてから成約するまでの平均時間
    重要性:営業サイクルの長さを知ることで、現在パイプライン内にある商談数に基づき、特定の期間内に予想される成約数に関するインサイトを得ることができます。また、営業サイクルを縮め、販売スピードを上げるための取り組みを行う必要性についても知ることができます。

    平均的な商談規模

    定義:1件の成約から得られる平均売上高
    重要性:平均的な商談規模からは、営業部門が商談を成立させるごとに期待通りの売上を上げられているかが分かります。そのデータに基づき、営業パイプライン内の活動を調整し、必要であれば活動を強化することができます。

    リードから商談 のコンバージョン率

    定義:初期の見込みリードのうち、実際に商談になった数
    重要性:商談になったリードが多いほど、パイプライン初期の活動がうまく機能していることを意味します。一方、コンバージョン率が低い場合は、初期ステージの活動を改善する必要があるでしょう。

    成約率

    定義:期初の商談金額(数)から、期末に成約に至った商談金額(数)の割合
    重要性:高い成約率は、営業部門がパイプライン終盤の活動を効果的に行えていることを意味します。反対に、成約率が低い場合は、見込み客が購入に至る前に、対象に興味を失っていることを示します。

    パイプラインの各ステージの評価額

    定義:各ステージの商談の合計金額
    重要性:パイプラインの各ステージの商談総額の価値を知ることで、商談がパイプラインに沿ってシームレスに進展しているかどうかを分析し、解決が必要な潜在的な問題(特定のステージで多くの失注が続いている、特定の営業活動によって商談にボトルネックが発生している等)を特定することができます。

    CLV/CAC率

    定義:新規顧客1社の獲得コスト(CAC)に対する、その顧客から得られる生涯価値(CLV)
    重要性:この割合は、必ず1以上であるべきです。1以上ではない場合、実際のビジネスから得られる金額よりも、新規顧客を獲得する金額の方が高いことになります。

    まとめ

    営業パイプライン分析を行い、顧客がたどる各ステージに意図的な営業戦略を準備して適用することで、潜在的な売上を見える化して、管理できるようになります。結果的に、売上の予測可能性が向上し、企業の成長の促進へとつながります。

    こういった望ましい姿を実現するためには、分析や管理を後押しする適切なツールが必要です。

    Xactly Forecasting®は、CRMと連携して、データに基づくパイプライン分析が行え、一貫性のある営業活動の実行と精度の高いフォーキャストを促し、「予測可能な売上」の実現を支援します。

    無料の製品デモのお問い合わせはいつでもお受け付けしております。こちらからぜひお問合せください。

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    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。

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