コミットが不十分なカルチャーがストレッチの難しさにつながっていた
株式会社チームスピリットは、バックオフィス業務のDXを支援するクラウドサービス「チムスピ」シリーズを提供し、「労務管理の自動化」「経理業務の自動化」「人事業務の省力化」など、さまざまなバックオフィス業務の効率化を実現しています。サービスをローンチした2012年から多くのユーザーを獲得し、その勢いを維持したまま、2018年には東証マザーズ市場に上場。1700社以上のユーザーがサービスを利用しています。中小企業から、現在は大企業への展開も促進しています。
その同社が現在抱える営業課題について、Salesforce日本法人で12年にわたり営業チームの生産性向上に取り組んできた執行役員 CRO セールス&マーケティングディビジョン 本部長の若宮 成吾氏はこう話します。
「私が着任した2022年12月当時、当社の営業組織にはフォーキャストの文化が根付いていませんでした。営業担当からあがる各商談の情報が『これは行けそう』『これは難しそう』という肌感覚のもので、なんとか商談を獲得しようとする営業の意思も低い状態で、結果的にフォーキャスト精度が非常に低くなり、四半期予測が大きく下振れすることも珍しくなかったと聞いております」
ギャップが一目で分かるダッシュボードを構築
若宮氏の懸念は、フォーキャスト精度だけではありませんでした。
「フォーキャストの重要な意義は、営業担当が受注にコミットすることで、主体的かつ積極的な行動につながることにあると私は考えています。コミットとは簡単に言えば、『この四半期中にこの商談は受注する』という宣言で、決められた期限の中でどうすれば受注できるかを逆算したアクションが取れるようになります。これによって、営業担当が商談の進捗を管理し、お客様への積極的な交渉もするようになるので、受け身な営業になることを回避できます。コミットすることを営業担当による『意思入れ』と呼んでいますが、売上そのものをストレッチする上でもこのコミットは大きな意味を持ちます」
営業担当が受注と着地予測をコミットするカルチャーを醸成するため、スプレッドシートによるフォーキャスト管理をはじめましたが、その作業には多大な工数がかかり、非効率にならざるを得ないという問題がありました。コーポレートディビジョン ビジネスマネジメント Dept. シニアエキスパートの山岡 幹根氏は当時の状況をこう振り返ります。
「管理上大きな課題となっていたのは、当社が営業活動の基盤として利用するSalesforceとの二重作業で、管理が非常に煩
雑となっていたことでした。ワークシートごとに、チーム単位のフォーキャストしか行えず、全社の数字を把握するには再度集計する必要があるというツール上の限界もありました。また、組織の成長にはマネージャーのフォーキャスト力が必要ですが、このやり方では作業の標準化が難しいことも大きな課題でした」
これらの課題の解決に向け、注目したのがXactlyでした。...