公開日 2022.08.29  更新日 2023.03.27

営業におけるテリトリー管理とは?管理する目的やポイントについて解説

「縄張り」「領土」などの意味を持つ「テリトリー」という言葉ですが、営業活動における「テリトリー」の意味合いは異なります。

営業活動において、営業テリトリーを理解し管理することが売上に影響するといっても過言ではありません。ここでは、営業テリトリーを管理することの目的やポイントについて解説します。

目次

    営業テリトリーとは

    営業テリトリーとは、特定の期間において個々の営業担当者または営業チームが売上責任を負う顧客グループ、または地域のことを指します。

    テリトリーは、地理的要因、市場のポテンシャル、過去の売上履歴などに基づいて定義されます。企業においては、売上を最大化しつつコストも抑えるために、テリトリーの定義のバランスを取ることが重要です。

    テリトリーを管理する目的

    営業テリトリーを管理すると、特定の地域における市場規模に対して必要なリソース配分が見極められるため、リソースを無駄なく配置できます。

    ここでは、営業テリトリーを管理する目的を具体的に解説します。

    マーケットを適切にカバーするため

    各テリトリー内で想定される販売機会に応じて適切に人員を割り当てることで、顧客へのサービス提供を最適な形でおこなえます。

    もし人員が不足していると、テリトリー内に存在する顧客に十分な提案ができずに売上に影響が及ぶ可能性があります。マーケットをしっかり分析し、売上や市場規模に見合った人員配置が重要です。

    営業生産性を最大化するため

    あるテリトリーに人員が過剰に割り当てられる、人員に対してテリトリー内の顧客が少なすぎるなどすると、営業人員のポテンシャルを最大化できず、営業生産性の低下を招きます。偏った人員配置を防ぎ、営業生産性を上げていくために、適切なテリトリー管理が求められます。

    営業生産性については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

    >営業生産性とは?計算方法や重要性、向上のための施策、ツールを解説

    営業間の不公平感をなくすため

    例えば、首都圏や都心部など人口が多い地域は取引先も多く、売上も高くなる傾向にあります。一方、地域内のもともとの顧客母数が少ない、1件あたりのポテンシャルが低く売上に直結しづらいといった地域もあります。何かの基準でテリトリーを区切る場合、そうしたバラツキを考慮する必要があります。テリトリーごとに顧客数や過去実績などの背景を考慮し、均等な販売機会を割り当て、不公平さをなくします。不公平感は各営業担当者のモチベーションの低下に繋がってしまいます。

    売上を向上させるため

    適切なテリトリー区分けを行い、テリトリーごとに適切な人員を配置すれば、リソースを最適化でき、売上の向上につながります。

    Harvard Business Reviewの調査によると、テリトリー管理を最適化できれば、営業担当者の増員や販売戦略の変更をすることなく、売上を最大で7%向上できるという調査結果もでています。

    営業のテリトリー管理のステップとポイント

    限られたリソースで効果的に顧客にアプローチするためには、各営業が顧客に対応できるように適切なテリトリー管理が重要です。ここではテリトリー管理をおこなう際のステップとポイントを解説します。

    テリトリーの分け方の方針を決める

    テリトリーをどのように分けるかは業種や製品・サービスの特性によって異なりますが、分け方としては、

    • 地理
    • 顧客の業種
    • 顧客の企業規模

    などが一例として考えられます。どこを軸にして分けるか、会社が目指す方向性をもとに方針を決めましょう。

    市場のポテンシャルを見極める

    テリトリー設計は、各テリトリーで同じような販売機会があるように調整する必要があります。そのためには、顧客グループごとの購買力、購買ポテンシャル、自社内の見込み商談のボリュームを見極める必要があります。現状の人員配置で機会損失が起きていないか、伸び率が高い地域など潜在的な要素も考慮したうえで市場のポテンシャルを見極め、適切なテリトリー設計をおこなう必要があります。

    テリトリーの範囲を決める

    テリトリーの範囲の設定が広いと人員不足の可能性が生まれます。一方、範囲が狭いと、シェアは取れても売上成長のポテンシャルを狭めてしまいます。そのため、自社に適した範囲の設定が必要です。テリトリーごとの販売機会や営業担当のスキルを見定めながら、限られたリソースの中でどこに重点を置くか、定量的なデータをもとに意思決定して、範囲を設定します。

    ビジネス戦略に合ったテリトリーを定義する

    テリトリー分けの方針を決め、市場のポテンシャルを見極め、範囲の検討が済んだら、実際にテリトリーを設定します。テリトリーごとに何名の営業担当が必要なのかも併せて定義します。

    営業人員の配置を調整する

    営業担当者ごとに、これまでどのテリトリーでどのお客様を担当していたのか、既存の仕掛かり中の商談はどのような状態か、住んでいる場所はどこなのかなどを考慮し、人員を配置します。

    テリトリーの見直しをおこなう

    市場や環境は常に変化しているため、定期的にテリトリーを見直すことが重要となります。見直しがないままで進めてしまうと、市況や自社の変化への対応が遅れ、修正がより難しくなります。目標やマイルストーンの進捗状況を確認しながら、現状の人員配置で問題がないかを振り返り、必要に応じてテリトリーの見直しをおこないましょう。

    ツールを活用する

    テリトリー管理は考慮すべきポイントが多く複雑なため、ノウハウがない場合には実行が難しい場合があります。しかし、適切な営業テリトリーを設計できるツールを使うことで、手間をかけることなくデータドリブンで戦略的な営業テリトリーを構築できます。

    特に顧客管理は重要なポイントであり、そのためのCRM導入は必須ともいえますが、そこで蓄えたデータを活用することがテリトリー設計には重要です。テリトリー計画検討時に重要となるマーケットポテンシャルの算定には、テリトリーごとの商談のトレンドや今後の予測ができる、Xactly Forecastingの活用が非常に有効な手段となります。

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    まとめ

    ビジネスを成功させるためには、営業テリトリーを管理しながら効率良く営業活動を進めていくことが重要です。限られた人員、資源の中、ツールを活用し精度を上げながら営業活動を進めていけば、パフォーマンスは大きく向上し、目標達成に近づけます。

    戦略的な営業テリトリー管理をおこない、売上向上を目指しましょう。

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    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。