公開日 2023.09.29  更新日 2024.08.14

営業ダッシュボードを使いこなすには?不可欠な10のKPIをご紹介

データドリブンの組織運営は、今日のビジネス環境において当たり前になっています。特に営業部門では、売上予測(フォーキャスティング)など、KPIに基づくパフォーマンス結果が戦略的な意思決定に影響を与えています。

営業KPIダッシュボードは、データドリブンの組織運営を実現するうえで欠かせない機能であり、営業パフォーマンスや目標に対する進捗状況をまとめて表示することができます。営業ダッシュボードは、CRM(顧客管理)システムとAIベースの営業管理ソフトウェアを搭載しており、営業担当者が自信を持って意思決定できるようリアルタイムのインサイトを提供します。

以下のセクションでは、営業関連で不可欠な10のKPIについて取り上げ、営業ダッシュボードに含めるべき理由、そして営業向けの活用法についてご紹介します。

目次

    サマリ

    • 営業KPIは、具体的な営業目標に紐づけられた戦略的な指標である
    • 営業KPIダッシュボードは、インサイトを可視化し、営業チームにとって実用的な情報に転換できる
    • 営業活動量、リードコンバージョン率、セールスベロシティ(受注に至るまでの速さ)などのKPIは、営業チームのパフォーマンスの進捗状況やパイプライン内のリード(見込み客)の進捗を示す
    • 顧客獲得単価(CAC)と顧客生涯価値(CLV)は、営業リーダーが適切な営業投資レベルを正確に見極め、利益を最大化するのに有効である
    • 月次や年次ベースで成長率を追跡し、長期的な売上傾向と売上見込みを明らかにすることで、RevOps(レベニューオペレーション)の取り組みに貢献することが可能である

    営業KPIとは何か?営業KPIを追跡すべき理由とは?

    営業KPIとは、測定可能でデータドリブンの指標であり、営業パフォーマンスの追跡に使用されます。営業KPIは、営業リーダーが定めた目標の達成に向けて、全員が足並みを揃え、集中できるようにします。 

    KPIは戦略的な指標であり、具体的な目標に紐づけられています。戦術的な性質を持つことが多い標準的なデータ指標とは異なります。例えば、営業KPIとしてよく使用されるリードコンバージョン率は、目標値に対するパフォーマンスの改善と成長を促すために測定される指標です。

    営業KPIは営業目標そのものではなく、目標に対する進捗を測るためのデータポイントであることに注意してください。適切な営業管理ソフトウェアツールを導入していれば、KPIの追跡によって意思決定が強化され、戦略を素早く実行できるようになり、営業チームは売上目標を確実に達成できるようになります。

    営業KPIダッシュボードとは何か?

    営業KPIダッシュボードとは、データインサイトを分かりやすい情報に転換するデータ可視化ツールです。KPI測定値を、目標達成に向けて取り組む人々にとって実用的な形で伝えます。例えば、営業リーダー、マネージャー、営業担当者、そしてマーケターやビジネス開発担当者などの協力者も、営業KPIダッシュボードから実用的な情報を得ることができます。

    営業KPIダッシュボードの表示は、その対象ユーザー(エグゼクティブリーダー、マネージャー、営業担当者など)によって異なるかもしれません。現在、多くの企業はチームや個人のニーズに合わせて、複数のダッシュボードを用意しています。 

    どのKPIを営業ダッシュボードに表示させるかは組織によって異なりますが、一般的に営業の成功を測れる最も重要な指標として認められているKPIがいくつかあります。それらのKPIを1つずつ見ていきましょう。

    営業ダッシュボードに含めるべき10の営業KPI

    クオリファイドリード数

    経験豊富な営業担当者なら誰でも知っていることですが、適切なフレームワークがなければ、見込みのないリードに多くの時間を浪費することになります。適切なフレームワークの例として、正式な営業パイプラインに従って、獲得したすべてのリードにリードスコアリングやリードクオリフィケーション基準を適用することができます。クオリファイドリード数は、特に営業リーダーや営業マネージャーにとって、次の2つの重要な情報を把握できる重要なKPIです。

    • リードジェネレーション活動(一般的にはマーケティング部門と連携して実施)を通じて成約に至る見込み客が創出されているか
    • パイプライン内のクオリファイドリード対応をどのように営業担当者に割り当てるべきか、また営業担当者を追加採用する必要があるか

    営業活動量

    営業活動量は、営業マネージャーが生産性を追跡するのに使えるKPIです。ミーティング予定数、電話の発信数、デモの実施数といった、より具体的な KPIを含む項目になっています。これらの活動を継続的に監視することで、マネージャーはチームの営業プロセスの進捗状況を把握し、必要に応じて各チームや営業担当者のパフォーマンスを掘り下げることができます。

    営業リーダーは、適切な営業活動量KPIがダッシュボードに含まれるように、自社の営業プロセスにとって何が最も重要な活動かを判断すべきです。

    リードコンバージョン率

    リードコンバージョン率は、ダッシュボードに含めるべき最もシンプルかつ最も重要なKPIの1つです。このKPIは、無事にパイプラインを通過し成約に至ったクオリファイドリードの数を示します。「最適な」リードコンバージョン率の定義は、業界やビジネスの種類によって大きく異なります。しかし一般的には、リードコンバージョン率が営業戦略の健全性と営業パフォーマンスの効率性を示す確かな指標になっています。

    セールスベロシティ

    セールスベロシティは、リードがパイプラインを通過し、成約に至って、売上を創出するまでのスピードを測るKPIです。2つの理由から、セールスベロシティを営業KPIダッシュボードに含めることが極めて重要になっています。まず、セールスベロシティも営業プロセスの効果を測れる指標です。リードがパイプラインに滞留している場合や、パイプライン内をスムーズに移動していない場合は、営業プロセスか営業チームのいずれかに問題があります。

    次に、セールスベロシティが分かれば、パイプライン内のリードから売上を見込めるタイミングを予想できるようになります。パイプラインを分析するにあたり、セールスベロシティKPIに基づいて、各ステージの売上までの時間を厳密に特定します。最終的には、セールスベロシティを把握することで、より多くの情報に基づく、より正確な売上のフォーキャストを立てられるようになります。

    顧客獲得単価(CAC)

    Xactlyが紹介する顧客関連KPIの1つは、顧客獲得単価(CAC)です。CACは、新規顧客を獲得するために必要な金銭的投資の総額を測定します。営業KPIダッシュボードでCACを追跡することで、営業マネージャーは予算を管理し、支出の必要性を理解し、営業投資から可能な限り高いROIを得るための意思決定を下すことができます。

    顧客生涯価値(CLV)

    顧客生涯価値(CLV)は、ある顧客が貴社と関わる期間を通して貴社にもたらす平均的な価値の総額(実際の売上)を示します。このKPIから、営業努力を割くべき場所(つまり、最も売上の大きい製品・サービスや顧客区分)を判断できるようになるため、測定すべき戦略的に最も重要なKPIの1つとなっています。

    顧客維持率と顧客離脱率

    顧客維持率と顧客離脱率は表裏一体の概念です。前者は特定の期間中に貴社を利用し続けた顧客の割合を示し、後者は特定の期間中に貴社の製品やサービスの使用を中止した顧客の割合を示します。

    顧客維持率と顧客離脱率はどのビジネスにも重要なKPIですが、サブスクリプションベースのビジネスモデルや契約更新を継続することで売上を伸ばしている今日のSaaS企業では、特に追跡すべき重要なKPIです。

    平均的な商談規模

    平均的な商談規模とは、顧客が1回の取引で製品やサービスに支払う平均額を示します。貴社の価格設定戦略の有効性を伝えるKPIであるため、売上目標の達成に向けて適切な戦術を定められるようになります。

    営業KPIダッシュボードに平均的な商談規模を含めておけば、売上目標を達成するために一定期間中に成立させなければならない案件数を常に正確に把握することができます。

    営業チーム/営業担当者あたりの平均売上

    1つの営業チームや営業担当者1人あたりの売上は、全体的な営業パフォーマンスを測るために重要なKPIです。KPIとして営業ダッシュボードに表示しておけば、営業チームや営業担当者はその目標に合わせてモチベーションを保つことができます。営業リーダーにとっては、パフォーマンスの潜在的な問題を把握し、改善に向けて営業担当者を積極的にサポートするために使えるKPIです。

    月次/年次の営業成長率

    最後になりますが、統合型のRevOps戦略の実現を目指す企業では、成長率の測定が不可欠です。多くの組織では、売上の大部分を営業が生み出しているため、売上成長率は会社としての成長(または退行)を測るに信頼性の高いKPIと言えます。成長を詳しく追跡することで、自社の売上傾向を常に把握し、継続的な改善と最適化に向けた対策を講じられるようになります。

    まとめ

    ダッシュボードに表示させるKPIやその優先度に関わらず、ダッシュボードをうまく活用するために欠かせない重要な要素がいくつかあります。

    利用しやすさ - 営業チームが使用するCRMやソフトウェアツールからダッシュボードにアクセスできるようにしてください。
    可視性 - データ可視化機能を活用し、すべての従業員にとって分かりやすい実用的なインサイトを提供してください。
    カスタマイズ性 - 経営陣が求めるインサイトは、営業マネージャーや営業担当者が必要としているインサイトとは異なります。それぞれの営業ダッシュボードは、ユーザーに合わせてカスタマイズしましょう。

    営業ダッシュボードから得られるROI(投資利益率)を最大化するためには、組織の成功につながるKPIについて理解し、ここで紹介したベストプラクティスを念頭に、ダッシュボードを日々の営業判断に役立ててください。

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    執筆者

    Xactly(エグザクトリー)株式会社 | Xactly Japan News Team

    Xactly Japan News Teamは、Xactly社内およびレベニューインテリジェンス業界全体で起こっている市場動向、イベント、市場動向についてレポートします。

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