営業のモチベーションはなぜ重要か?
営業の仕事にモチベーションが重要なことは言わずもがなですが、ここでは改めてなぜ重要かを考えてみます。大きな理由としては以下の2点が挙げられます。
生産性の向上と売上アップ
営業の生産性や売上成績は、営業担当者のモチベーション次第で大きく変わることが明らかになっています。米ギャロップ社の調査によれば、高いモチベーションで業務に取り組んでいる営業チームは平均より20%も売上が良いという結果が出ています。モチベーションの低いチームは、組織全体のパフォーマンスが低下し、営業目標が未達で終わる原因となってしまうでしょう。
エンゲージメントの向上と離職防止
営業担当者のモチベーションが低いと業務へのエンゲージメントが低下し、営業担当者の離職が発生しやすくなります。事実、多くの組織が営業担当者の離職に直面しています。Xactly株式会社の2023年の調査によると、日本の約4割の営業が転職を検討していることが明らかになっています。労働人口減少による人手不足が懸念されている日本においては、離職による影響は今後より大きなものとなるでしょう。営業担当者のエンゲージメント向上と離職防止を図るためには、モチベーションの向上が必要不可欠なのです。
動機付けの種類
モチベーションを向上させる ー つまり、動機付けには、金銭的な動機付けと非金銭的な動機付けの2種類に分けて考えることができます。モチベーションを向上させるためには、この2種類をバランス良く組み合わせることが重要です。
金銭的な動機付け
金銭的な報酬によって営業担当者のやる気を引き出す方法です。最も一般的で効果的な方法は、インセンティブ報酬として、成果連動型の報酬体系を用いる方法です。売上高や売上目標達成率を基準に所定のパーセンテージを乗じて、賞与を支払います。目標を100%達成後は、さらに報酬を得られる設計にすることで、営業担当は最大限のパフォーマンスを出すように務めるでしょう。
その他、金銭的な動機付けの例も含めて、次の節で詳しく触れたいと思います。
>インセンティブ報酬についての詳細についてはこちらの記事からご確認ください。
非金銭的な動機付け
金銭によらないインセンティブによって動機付けを行う方法です。有形、無形のものがあります。キャリアやスキルアップの機会、福利厚生、達成感や称賛・名誉の提供などが該当します。詳細については、後半に述べたいと思います。
金銭的な動機付け
ここからは動機付けについて、より細かく見ていきましょう。まず、金銭的な動機付けの具体例としては以下が挙げられます。
インセンティブ報酬(成果連動型報酬)
個人やチームの成果に連動する形で、与えられる変動型の賞与報酬です。基本的には、成果を上げれば上げただけ得られる報酬が大きくなるため、営業担当者に強い動機付けを与えることが可能です。事実、Xactly株式会社の2023年の調査によると、成果連動型の報酬体系がある営業担当の方が、やりがいを感じていたり、目標達成後も引き続き積極的に営業活動に勤しむ傾向が高いことがわかっています。
ボーナス
企業の業績と営業担当者のパフォーマンスに応じて金銭的な報酬を与える手法です。支払いに一定の基準があり、その基準をベースに多少の増減が発生するのが一般的です。すべての従業員に動機付けを行う方法として有効な手法ですが、一人ひとりの動機付けという視点で考えた場合にはあまり大きな効果が得られないこともあります。
目標達成による報酬(MBO)
営業担当者個人やチームとしての目標を設定し、その達成に応じて金銭的な報酬を与える手法です。基準が明確であるため従業員の納得感を得やすく、チームでの協働を促すことにもつながります。数字として実績が見えない業務に対しても報酬を与えやすい手法です。
非金銭的な動機付け(有形)
非金銭的な動機付けには、有形と無形の2種類に分けて考えることができます。ここではまず有形の非金銭的な動機付けについて深掘りします。
有形な非金銭的な動機付けは、直接的な金銭での報酬ではなく、それ以外に提供される有効なものです。主には以下のようなものがあります。
キャリアとスキルの開発のためのイベントやコースの提供
キャリアとスキルを開発するための機会を提供する手法です。自身の成長を望む従業員に効果的に働きます。昨今では、オンラインでの提供も進み、従業員にとっては時間や場所の選択肢の幅が広がるとともに、提供側も比較的提供までの準備を効率化しやすくなっています。
福利厚生サービス
健康やヘルスケアなど、さまざまな福利厚生サービスを提供する手法です。人間ドッグの受診サポートやウェルネスアプリのサブスクリプションサービスサポートなど、さまざまなサポートが考えられます。動機付けとしてのみではなく、従業員が健康で働き続けられるようサポートする点でもメリットが得られます
仕事環境の整備
PCやモニター、周辺機器等の購入をサポートする手法です。近年ではテレワークでの勤務も一般化してきました。このサポートを提供することで、よりストレスなく在宅での勤務がしやすくなり、柔軟な働き方ができるようになるでしょう。従業員の生産性向上につながる点でもメリットといえます。
非金銭的な動機付け(無形)
金銭など物理的なモノを提供しなくとも、動機付けすることは可能です。主な手法には以下のようなものがあります。
個別の目標を設定する
適切に目標を設定すると、それを達成しようとするモチベーションが働きます。ただ、設定した目標が適切でない(目標が高すぎる、目標が低すぎるなど)場合、かえってモチベーションが下がってしまうケースも多くあります。適切な目標を設定するためには、SMARTと呼ばれるフレームワークを活用するのが有効です。SMARTは以下の頭文字をとったフレームワークです。
- Specific:目標が明確か
- Measurable:目標や達成度を数値として計測可能か
- Achievable:現実的に達成可能な目標化
- Relevant:目標の達成が利益につながるか
- Time-bound:目標に期限が設定されているか
一貫性の維持
方針に一貫性がない、評価基準に一貫性がない、こういう事態が起こると人はモチベーションを失ってしまいがちです。例えば、営業組織のなかには、顧客満足度向上を主題に挙げていながら実際は成約率で評価されているというような、一貫性のない方針や評価基準となっているところもないでしょうか。モチベーションを向上させるためには、周囲が与える自身への評価も大きく影響します。何を行えば適切な評価がなされるのか、一貫した基準を示して公平に評価を行うことが大切です。
業務の無駄を減らし生産性向上
業務上の無駄を削減し、営業担当者が働きやすい環境を作るのも有効です。日報の記載や事務的な手続きなどのためにいちいち帰社しなくてはいけないなど、「昔からそうしてきた」というだけで明確な必要性がないのに続いている無駄は意外と多いものです。営業担当者からのフィードバックをもとに無駄を削減し、生産性向上につながる施策を取り入れれば、モチベーションの向上につながりやすくなるでしょう。
心理的安全性の確保
自分の意見や考え方を気兼ねなく発信できる「心理的安全性」の確保が、チームのパフォーマンスの向上に重要と言われています。誰にも自分の発言を否定されずオープンに話し合える環境であれば、モチベーション高く積極的に活動できるようになるでしょう。
風通しの良い組織整備
営業は個々人での活動が中心となるため、職場内でのコミュニケーションが個人任せになっている場合も多くあるでしょう。チーム内でのコミュニケーションが増えれば、風通しの良い職場環境を提供でき、モチベーションが向上すると共に新しいアイデアも浮かびやすくなります
営業モチベーションを支えるツールはXactly Incentが効果的
営業担当者への動機付けの方法を見てきましたが、金銭的な動機付けは欠かせません。営業活動の成果が公平に評価され、営業担当者にとって成果に応じた納得感のある報酬がタイムリーに支払われているかが非常に重要です。
効果的な金銭的動機付けを行うためには、評価のために重要となる指標をいかに効率的に管理できるかが大切になります。エクセルを利用して営業成果を管理し、報酬計算している企業も少なくありませんが、効果的な管理を行うためにはエクセルの機能だけでは不十分です。
Xactly Incentは、インセンティブ報酬管理に特化したツールであり、報酬プラン策定や報酬に関するプロセスの効率化、各種データを元にした実績・報酬予測等、効果的な動機付けに必要な機能が備わっています。Xactly Incentを活用すれば、営業担当者のモチベーション向上と同時に、管理職や人事、財務担当者等の負担も軽減できるでしょう。
まとめ
組織として営業目標を達成し続けるためには、営業担当者が高いモチベーションを維持し続けられる環境を提供することが重要になります。動機付けには金銭的・非金銭的、有形・無形とさまざまな手法がありますが、最も基本的かつ効果的なのは金銭的な動機付けです。
この記事で解説した内容を参考に、ぜひ適切な金銭的な動機付けが行えるよう取り組んでみてください。