営業担当者には、モチベーションは非常に重要です。商談を進め、成約に導くためには、このモチベーションが原動力になります。各営業担当者のモチベーション向上を促す方法はいくつかありますが、最も重要なのがインセンティブ報酬です。
インセンティブ報酬は、営業担当者が通常の基本給に加えて得られる報酬です。一般的に、インセンティブ報酬は、営業担当者が受け取ることのできる変動給をまとめた営業報酬体系の重要な一部として機能しています。
インセンティブの基本については、こちらの記事でまとめておりますので、併せてご一読ください。
> インセンティブとは?報酬制度の設計方法や注意点、メリットをご紹介
インセンティブ報酬の目的
インセンティブ報酬の目的には、企業の目標に合わせて、企業戦略上優先される商談を営業が推進する動機付けを高めることにあります。例えば、3種類の商品があり、これらを特定のサービスと一緒に販売してもらいたいのであれば、そのサービスと共に販売した方が高い収入を得られる報酬制度を設計すればよいのです。
従って、インセンティブ報酬の設計には、営業担当者が何を達成すれば、どのような報酬を獲得できるのかが規定されていきます。では、インセンティブ報酬にはどのような種類があるでしょうか?
インセンティブ報酬の種類
営業担当者のモチベーションを上げるために有効なインセンティブ報酬の種類をいくつかご紹介します。
最も一般的な変動インセンティブ報酬は、以下に分類することができます。
営業報酬
最も一般的なインセンティブ報酬体系です。営業担当者が収入を得られる手段が、報酬設計の構造に反映されています。成約に至った商談の売上の何パーセントというシンプルな報酬体系(「歩合制度」)や、売上目標の達成率を考慮した複雑な報酬体系として設計することができます。
SPIF
SPIF(Sales Performance Incentive Fund:販売実績インセンティブ基金)は、効果的な短期インセンティブです。製品リリース時や市場競争環境が激化した際など、一定期間のみ優先事項を変えてもらうために、営業報酬制度に加えて取り入れることが推奨されます。
ボーナス
ボーナスは、営業だけでなく、それ以外の部門の従業員に対しても、特定の取り組みへのモチベーションを高めてもらうために有効な報酬です。一般的には、一定額の報酬金として、該当の目標が達成されたときに支給されます。
MBO
MBO(Management by Objectives:目標による管理)とは、営業部門以外の従業員を含め、組織内のさまざまな役職の従業員にインセンティブを与えられる優れた手段です。マネージャーと共に設定した個人目標を達成することで支給されるボーナスのような報酬制度です。
インセンティブ報酬管理とは?
営業担当者が獲得する報酬の設計、展開、管理、計算、支払プロセスを インセンティブ報酬管理(ICM) と言います。単に営業担当者に給与を支払うだけのプロセスではありません。営業担当者へ給与を支払う一連のプロセスに加え、営業報酬制度の効果を評価することもできなければなりません。
インセンティブ報酬管理(ICM)ソリューション があれば、報酬に関する正確なデータが、組織内のすべての人がアクセスできる一元的な場所に格納できます。また、報酬計算と支払プロセスが簡略化され、ミスが減ることに加え、営業担当者は獲得した報酬をリアルタイムに確認できるようになります。
また、給与に関する業界インサイトを確認できベンチマークを設定し、報酬制度をさらに強化することも可能になります。業界の水準に対して自社の報酬制度を見直しでき、優秀な人材を募り、維持することができる、競争力の高いインセンティブを設定できるようになります。
グローバルエンタープライズセールスパフォーマンス2021によると、58%の企業において、過去12か月で離職率が上昇しています。このことからも、従業員の維持がますます重要な問題となっていることが分かります。
インセンティブ報酬の力を解放する
インセンティブ報酬戦略をしっかり行うことは、組織が目標を達成し、売上を増加させるにあたり、非常に重要です。報酬戦略を描くことに加え、適切なデータ、ツールを整えることで、営業担当者のモチベーションを高め、商談成立のスピードを上げ、企業目標に合致した商談から優先的に取り組めることができるようになります。
営業報酬の計画と管理を進めるための具体的な方法論については、「営業報酬計画のための決定版ガイド」をご覧ください。