公開日 2021.12.20  更新日 2022.04.06

今、日本企業が取り組むべき“稼ぐ力”向上のための新たなアプローチとテクノロジーの活用法

長引くパンデミックにより日本企業の『稼ぐ力』が問われています。自社の稼ぐ力はどれだけあるのか、どう継続的に高めていけるのか?本ブログは、2021年12月2日にオンライン開催された「セールステック・デジタルマーケティングDay2021冬」における、ジャパン・クラウド 福田康隆氏とXactly社代表 福眞総一郎とのセッションのサマリー記事になります。

目次

    不確実性の高い市場環境下、改めて“稼ぐ力”が問われる時代が到来

    近年の不確実性の高い市場環境にあって、世界中のあらゆる企業が継続的な「収益力」の向上を求められています。海外ではこの収益を上げるプロセスを「レベニュープロセス」と呼び、CRO(チーフレベニューオフィサー)なる役職が設置され、売上を創出するプロセス全体の管理・改善を担っています。日本においてもレベニュープロセス、すなわち “稼ぐ力”の向上について、改めて問われる時代に突入しています。

    2021年12月2日、オンライン開催されたビジネス+IT Webセミナー「セールステック・デジタルマーケティングDay2021冬」では、そのレベニュー向上に焦点を当て実施されました。

    登壇したのは2020年8月に日本進出し、計画、実行、最適化のサイクルで “稼ぐ力” を長期的に高めていくSaaSプラットフォームを展開する米国発Xactly(エグザクトリー)の日本法人代表取締役社長・福眞総一郎氏。そして、Xactlyの日本進出を戦略的提携により支援するジャパン・クラウド・コンサルティング代表取締役社長・福田康隆氏の2名です。

    両者が考える日本企業にとっての “稼ぐ力” 向上のハードル、解決の道はどこにあるのか。従来の営業担当者の勘や直感に頼る属人的手法に依存することなく、予測可能性と変化への適応力、そして収益性をいかに高めていくか。その新しいアプローチとしてXactlyの“インテリジェントレベニュープラットフォーム”の有効性についても紹介していきます。

    設立16年間でユーザー社数は130か国・1,200社を達成

    福眞氏は2021年11月末、Xactly日本法人代表に就任。それまで20年以上に渡り、外資系ITセールスの最前線でレベニュー向上、マネジメントに尽力し、営業パフォーマンスを最大化させるための戦略立案、実行、人材育成など営業組織の運営に従事してきました。

    そのキャリアとXactlyのテクノロジーを活かし、「日本市場においてもレベニューリーダーのパートナーとして、日本企業の“稼ぐ力”の向上を中長期的にご支援して参りたいという思いから、就任を決意しました」と語ります。

    Xactly本社は2005年、米国・サンノゼ生まれ。設立から16年間でユーザー社数は130か国の1,200社に及び、「SalesforceやDocuSign、LinkedInなどのテック系ほか、大手通信企業のVodafone、大手ホテルチェーン・Hyattなど多種多様な企業が、Xactlyのソフトウェアを活用し、セールスパフォーマンスを向上させています。」(福眞氏)

    今回、Xactlyが日本進出を決めた背景として、福眞氏は大きく3つを挙げます。

    1つ目が冒頭でも触れたように、収益性向上が日本企業最大の経営課題であること。それを受け、日本政府内閣官房が挙げる成長戦略実行計画でもマークアップ(利益)率の向上促進が掲げられ、まさに国を挙げた課題となっています。

    2つ目が労働人口減少などの労働環境の変化に伴い、営業人材の強化が求められていること。

    3つ目が、コロナ禍の影響もあり、日本では遅れていたDXが加速化し、SFAやMAなどが普及。XactlyはSalesforceと16年におよびパートナーシップを結び、利用拡大をはかっていることから「導入の素地ができた」という経営判断の下、今に至ります。

    勘や経験ベースでのフォーキャストから脱却するには

    ここからは福田氏を迎え、対談セッションに突入。企業の稼ぐ力の向上における現状課題について、以下の3つのフェーズに沿って意見を交換し、深堀りをしました。

    1.  DO(実行) CRM導入後のNext Stepとは?推測ベースのフォーキャストからの脱却
    2.  Plan(計画) 正しい未来予測に基づく営業計画とは?対前年比、一律 +XX%からの脱却
    3.  Check/Action(最適化) 営業現場の焦点や気持ちを会社の戦略と一致させるには?

    まず、1のフォーキャスト(業績目標に対する着地予想)については、CRMを導入し、商談管理が進みつつあるものの、未だに勘や経験ベースでのフォーキャストから脱却できずにいる組織は多くあります。

    その理由として、福眞氏は自身の経験から、個人によって数字のコミット度合いやその捉え方について、ばらつきがあることを指摘。そのため、営業現場のリアリティを正しく把握できず、「多くの営業リーダーがフォーキャストの精度に自信が持てないという問題が起こっています」と語ります。

    福田氏も営業リーダーに負荷が集中していることを問題視。「営業パイプラインの健全性についても、良くない兆候は特定のパターンで表れるものですが、各マネジャーの属人的なプロセスでチェックを行うのは、経験値によっても正確性や判断が分かれるリスクがあります」と言います。

    そこはテクノロジ―を駆使したインテリジェントなツールを活用し、営業パイプラインを可視化。過去データなども参考にしながら、マネジャー、営業担当者自身もツールによって相乗的にフォーキャスト精度を向上していく仕組みづくりが欠かせないと2人は指摘します。

    対前年比、一律+XX%成長からの脱却。精度の高いプランニングの要諦とは

    2の正しい未来予測に基づく中期の営業計画について、福眞氏は課題として、「翌年度の営業プランは、今年度の数字が締まる前に立てなければなりません。そこで元々のフォーキャストの精度の低さに起因し、さらに先のプランを立てることの難しさを感じているマネジメント層は多いのではないか」と語ります。

    その観点から、福田氏はプランニングをしていく上で重視するキーワードとして、営業のキャパシティ計測とテリトリーの管理・設計を挙げます。

    営業のキャパシティというと、単純に営業マンの人数で捉えられがちですが、本来は「営業が100%の戦力になるまでの“ランプタイム”を考慮することが大事です」と指摘。そこを見誤ると後々、数字が足りないということが起きやすいといいます。

    もう一つがリソースを投入するエリアや市場を戦略的に設計、管理するテリトリーの考え方で、「単純に売上が高いところに人を寄せてしまうようなケースもあり、開拓すべきマーケットに戦力が投入できていない現状もあるのでは」と問題を指摘します。

    福眞氏も、それを受け、「対前年比、一律+10%成長といった大雑把な目標数値に基づくプランニングから脱し、一人ひとりの実力値を反映させ、かつマーケットが持つポテンシャル・テリトリーの精査も加えた戦略的なプランニングを実施することが肝要です」と述べています。

    経営戦略に基づく新たなインセンティブ、報酬設計が“人”を動かす

    3のCheck/Action(最適化)で、営業担当者の行動と経営陣の決めた戦略を一致させるための取り組みとして、2人が共通して重視するのが「新たなインセンティブ、報酬の設計」です。

    例えば、今、多くの企業がサブスクリプションビジネスへの移行に取り組んでいますが、その際には「目標数値を従来のトップライン(売上高)から、サブスクリプションに合ったインセンティブにシフトすることが、重要だという気づきを得ました」と福眞氏は自身の経験を振り返ります。

    福田氏も、「何で評価されるかで人の行動が決まるのは万国共通。営業マンは自身のノルマ達成を優先する傾向があるといわれますが、そこと会社のゴールとのアライメントをしっかりとることが、マネジメントの責任と捉えています」と語ります。

    その点では、営業力・収益力向上のためには、「テクノロジーの活用に加え、テクノロジーを支える人、プロセス(組織)の三位一体の改革が欠かせません」と福眞氏。

    海外では広まりつつあるCRO(チーフレベニューオフィサー)の役職の重要性も含め、「日本市場でのレベニュー向上の考え方の啓蒙を是非とも進めていただきたいですね」と、福田氏はXactlyの日本市場での展開に期待を寄せます。

    “予測可能性の強化”が行動の変化、計画の前提となる

    続くセッションでは、福眞氏は対談を経て浮かび上がった課題を3つのテーマごとに整理し、解決の方向性を提示。例えば、1の「DO(実行)のサイクル」で主な課題として挙げられるのが、「SFAで商談管理はしているものの、フォーキャストの精度が低い」、「フォーキャストが信頼できず然るべきアクションがタイムリーに取れない」、「フォーキャスト精度が低いために計画に活かせない」といったもの。

    そのためのソリューションとして、同社では「Xactly Forecasting」を提供しており、日本市場では21年10月から提供を開始しています。

    「Xactly Forecastingは、AI(人工知能)や機械学習を活用し、営業パイプラインを可視化し、過去のトレンドや営業担当者の傾向も見ながら売上フォーキャストの精度を向上。営業リーダーのフォーキャスト業務に対する負荷を軽減し、常に目標を達成できるようなチームづくりを支援します」と福眞氏。

    その他、個々の営業マンの実績やテリトリーの特性をデータ分析しプランニングに活かす「Xactly Planning」、営業パフォーマンス向上をサポートするインセンティブ報酬管理ツール「Xactly Incent」を加えた3つをラインアップし、後者2つについても、今後、日本での展開を予定しています。

    最後に、福眞氏は予測可能で継続的なビジネスの成長を実現していくポイントとして、「予測可能性の強化」、「適応性の強化」、「収益性の強化」の3つを挙げ、「まずは日本市場では予測可能性の強化に焦点を当て、行動の修正や計画立案の前提となるフォーキャスティングの精度アップをサポートしてまいります」と今後の展望を解説。

    従来の属人的手法に加え、データドリブンのアプローチによって、企業のレベニュー向上の実現を目指すXactly。

    さらに詳しいソリューションの機能や、福眞氏、福田氏2人の貴重な対談内容を参考にするなら、以下のホームページおよび動画をぜひチェックしてみてください。

    なお、今回のイベントのセッションの録画データをXactly社のWebサイトから閲覧することが可能です。ご興味ある方は、是非、ご視聴下さい。