公開日 2023.09.27  更新日 2023.09.27

営業スキルを向上させる方法

マッキンゼー社の調査によると、従業員のスキルギャップに現在直面している、もしくは数年以内に直面すると答える企業は実に87%に上ります。企業の売上を稼ぐ営業部門でも、もちろん同じ問題を抱えています。

企業は売上目標の達成に向けて営業担当者が継続的にスキル向上できるようサポートする必要があります。営業担当者に新しいスキルを身に付けさせたり、今持つスキルを向上させたりする「スキルアップ」が不可欠なのです。

以降で、営業担当者のスキルアップとは具体的にどのようなものか、また企業が重視すべき5つの重要な営業スキルについて紹介していきます。

目次

    なぜ 営業のスキルアップが重要なのか?

    今日のビジネス環境は絶えず変化しています。テクノロジー、購買者行動、営業のベストプラクティス、その他市場の外部要因など、すべてが急速な変化を遂げています。もしも、営業のスキルが長期にわたって変化しないままでは、売上目標を達成することが難しくなるでしょう。

    変化するビジネスニーズに対応し、新たなテクノロジーツールを活用し、営業プロセスを常に最新のバイヤージャーニーに合わせていくには、スキルアップが不可欠です。

    営業人材 の価値を最大限に引き出したいと考える企業は、従業員の自主的なスキルアップに頼っていては不十分だということをよく理解しています。企業として対処するには、スキルアップを企業文化に根付かせ、十分なスキルアップの機会を社内で提供することが重要です。

    営業スキルアップに関する基本的な5つのアプローチ

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    スキルアップとは具体的にどのようなものでしょうか?以下に優れたスキルアップを行う上での基本的なアプローチを紹介します。

    特別に設計されたトレーニング

    トレーニングの内容は、受講者の営業ロールと経験レベルに適したものにするべきです。例えば、ベテランの営業マネージャーと新人の営業担当者では、スキルアップの内容は異なります。

    利用しやすいセールスイネーブルメント資料

    営業担当者が、ブランドや営業プロセス、製品やサービスに関する重要な情報を探し回るようではいけません。セールスイネーブルメント資料をいつでも利用できる状態にすることで、適切な知識を自然に身に付けさせ、セールスメッセージに一貫性を持たせるようにしましょう。

    継続的なスキルアップ

    スキルアップは継続的なプロセスであるべきです。新人研修のような1回限りや数回だけのトレーニングではありません。

    優れたオンボーディング

    新人の従業員がスピーディにスキルを身につけ、最高のパフォーマンスを発揮するまでの時間を短縮するには、優れたオンボーディングプログラムが必要です。

    模範となるリーダーシップ

    マネージャーやその他の営業リーダーは、自分たちが説明したことを実行に移さなくてはなりません。

    このような基本的なアプローチは時を経ても不変ですが、営業を成功に導くための最重要スキルは変化しています。企業が今、最優先で取り組むべき営業担当者のスキルについて、詳しく見ていきましょう。

    最優先でスキルアップすべき5つの営業スキル

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    共感力

    B2B営業における最大の変化は、主導権が営業部隊から購買者に移ったことでしょう。B2Bの購買者は、かつてないほどにさまざまなチャネルを通して多くの情報を手に入れられようになり、営業担当者に連絡を取るのはバイヤージャーニーの後半になりました。さらにこの時点で、購買者は、自身のニーズに合致した特別な対応を営業担当者に期待しているのです。 

    この新たな課題に対処する鍵となるのは、「共感力」です。ガートナー社によると、共感型で、(標準化されたのではない)状況に応じた営業アプローチをとることで、顧客の信頼を高めるだけでなく、その意思決定の質を11%高めることができると言っています。以下の方法で共感力を養い、従業員のスキルアップにつなげましょう。

    • よくある購買状況に応じたアプローチを取れるよう、営業担当者をトレーニングする
    • 理想の顧客プロファイル(ICP)や購買者のペルソナを設定し、いつでも利用できるようにする
    • 徹底的なセールスディスカバリーとアクティブリスニングを使って、購買者を詳しく調査することを奨励する
    • 製品やサービスの特長やベネフィットの前に、顧客のペインポイントにフォーカスすることの重要性を強調する

    営業プロセスに関する知識

    営業プロセスは営業を成功に導くためのロードマップのようなものですが、営業担当者にとって実用的でなければ意味がありません。営業担当者が営業プロセスを理解し、遵守するほど、売上は安定し、予測しやすくなります。

    営業プロセスへの知識と、各ステージでの行動の仕方を日常の業務に取り入れることで、営業担当者のスキルが向上されます。各ステージの目標を設定し、すべてを完了するまでのプロセスを明確にしてください。その営業プロセスを、営業担当者が使うCRMシステムやその他のソフトウェアシステムと連携させて、営業担当者がタスクの達成や進捗状況を確認できるようにします。 

    新人の営業担当者には営業プロセスに関する初期研修を行い、現職の営業担当者にも繰り返しトレーニングを行います。営業プロセスを常に意識させるようにしてください。営業プロセスがセールスオペレーションに組み込まれると、営業担当者にはその営業プロセスを実行することに責任が生まれ、うまく実行できるようになります。

    購買者の事前調査

    購買者が購買プロセスに入る前に、サプライヤーの候補を調査するように、営業担当者も最適なバイヤーエクスペリエンス(購買者の体験)を提供するために購買者を調査する必要があります。この調査とは、リード(見込み客)として営業パイプライン に入った購買者一人ひとりの調査です。購買者の業界やミッション、経緯、顧客、最新情報などの調査に時間を使うよう、営業担当者にトレーニングを行います。

    購買者についての調査を行うにあたり、企業ウェブサイトは業界の最新情報や市場調査プラットフォームと並んで最適です。営業担当者の最終目標は、可能な限り多くの知識を得て購買者との交渉に臨むことです。このことを念頭に置けば、購買者を調査する際の社内のベストプラクティスも設定できるようになるでしょう。

    ストーリーテリング

    ストーリーテリングは、セールスピッチやプレゼンテーションの説得力を高めるのに大変有効です。ストーリーテリングを取り入れて感情に訴えれば、潜在的な購買者から共感を得ることができます。営業担当者にストーリーテリングのスキルを身に付けてもらい、自社の商品やサービスの価値を浮き彫りにするストーリーを語らせましょう。

    お客様の成功事例を紹介することは、実例を示して成果を伝えるのにとても良い方法です。実在する人物やお客様の声を交えて、できるだけ人間味のあるストーリーにするとよいでしょう。

    セールステクノロジーの活用

    最後に、営業担当者がセールステクノロジーを使いこなせるようにトレーニングを徹底しましょう。新人社員には既存テクノロジーツールのトレーニングを行い、現職向けには新しいテクノロジーツールをトレーニングするほか、必要に応じてテクノロジーに乗り遅れた人材に適切なトレーニングを行います。

    テクノロジーツールを使ってさえいれば良いというわけではありません。新機能を最大限に活用し、商談を成功に導きましょう。継続的なトレーニングにテクノロジーツールの新しい使い方を取り入れて、営業担当者のスキルアップを奨励しましょう。

    営業のテクノロジースタックを最大限に活用し、必要に応じて従業員のスキルアップを図れば、自動化と効率化のレベルを高めてコストを削減できるようになり、より多くの商談を成約させて売上増加を実現できるようになります。

    Xactlyの営業パフォーマンス最大化プラットフォームは、データドリブンのインサイトで営業全般をサポートし、正確なフォーキャストに基づいた営業管理で営業担当者が自信を持って商談に臨めるようになったり、効果的なインセンティブ管理でモチベーションを高く維持することができるようになったりします。

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    まとめ

    • 営業スキルアップの基本的な考え方には、特別に設計されたトレーニング、セールスイネーブルメント(営業チームを強化し改善するための包括的な取り組み)、オンボーディング(新入社員の育成)と継続的なスキルアップ、模範となるリーダーシップなどがある。
    • ガートナー社の調査によると、共感型で状況に応じて対応する営業アプローチは、顧客の信頼度を高め、質の高い意思決定につながる。
    • 営業プロセスは、営業担当者がすぐに実行できるロードマップであるべきである。
    • ストーリーテリングは、セールスピッチやプレゼンテーションの説得力を高め、特にお客様の成功事例には、ストーリーテリングの手法を十二分に活用することができる。
    • 企業にとって、テクノロジーの機能を最大限に活用できるよう営業をトレーニングすることは極めて重要である。

    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。