公開日 2022.05.30  更新日 2022.05.31

営業のランプアップ期間とは?その計算方法とは?

ランプアップ期間とは、新しく営業担当者が採用され、業務で一人前になるまでにかかる時間のことです。本ブログでは、ランプアップ期間がどのようなものなのか、その計算方法も交えて、詳しく解説します。

目次

    新任の営業担当者が早く一人前になってくれるようにトレーニングすることは、企業にとって非常に重要なことです。ランプタイム期間の長さによって、オンボーディングのトレーニング効果が分かります。これらを把握し、改善することは、必要な営業キャパシティの正確な予測と計画、そして採用に大きく役立ちます。

    ここでは、ランプアップ期間の計算方法や営業キャパシティプランニングの重要性、そして営業のオンボーディングを成功させるためのベストプラクティスについて紹介します。

     

    ランプアップ期間とは?

    ランプアップ期間とは新任の営業担当者が採用され、業務で一人前になるまでにかかる時間のことです。多くの場合、これには「製品トレーニング」、「セールスコーチング」、および「営業サイクルとその関連プロセスに対する理解」が含まれます。

    HubSpot社の調査によると、新任の営業担当者が一人前になるには、平均3.2ヶ月が必要とされているようです。これは勿論、自社のソリューションやターゲット顧客の性質などによって異なります。自社のランプアップ期間を知ることは、とても重要です。

    ランプアップ期間を定める重要性

    それは、より適切な採用ができるようになるということがあります。ランプアップ期間を前提にして採用を行うことで、営業担当者の予期せぬ離職が発生したとしても、営業組織全体の生産性を高い状態で保つことができます。 営業担当者が離職することや、新任の営業担当者が一人前になるなどは、常時起こりうる営業生産性の変化ですが、その中においても、適切に営業チームの売上予測を行うのに役立ちます。

    ランプアップ期間の計算方法

    事業内容によって、ランプアップ期間の計算方法はさまざまです。営業の生産性は、業界の状況・市場の成長率・企業規模・トレーニング内容などに影響されるためです。ここでは、ランプアップ期間を計算するための一般的な方法を3つご紹介していきます。

    平均営業サイクルを基にした計算

    平均営業サイクルを基に、ランプアップ期間を計算します。例えば、一般的な営業案件が成約するまでに平均3~6ヶ月の営業サイクルが発生するとします。新任の営業担当者がランプアップ期間を終えるためには、最低でも一つの案件を受注できるようになると考えます。このことから、新任の営業担当者が一人前になるためには少なくとも3ヶ月が必要だということが分かります。また、業界や職種の経験が浅い場合は、さらに時間がかかる可能性もあります。

    ベストプラクティス:オンボーディングプロセスへのバッファーを考慮する

    セールスイネーブルメント部門(研修部門)と新任営業担当者には、一人前になるまでの時間的な余裕を確保してあげましょう。営業サイクルの長さに加えて、さらに90日のバッファー期間を確保することを検討してみてください。この期間には、営業業務以外のオンボーディングトレーニングなどの時間も考慮されています。

    前述の例で言うと、営業のランプアップ期間は6ヶ月間ということになります。(3ヶ月の平均営業サイクル+90日のバッファー期間=ランプアップ期間は6ヶ月間必要)

    ランプアップ期間 = 平均営業サイクル + 90日

    営業クオータ(営業目標売上額)達成に必要な期間を基にした計算

    営業クオータ(営業売上目標)達成のための期間を、ランプアップ期間の計算に利用することもできます。この方法は製品を直販していない企業や、平均的な営業サイクルのない企業に最適な方法です。

    ベストプラクティス:新任の営業担当者の経験値に配慮する

    新任の営業担当者は、全員が同じ状況で活動をスタートするわけではありません。既存の顧客を引き継ぎ、より早く100%を達成する人もいれば、惜しいけどいつも100%には達しない、というような営業担当者もいます。

    このような異なる状況を補うために、企業によっては、トレーニング後は、期待される報酬額の一定パーセンテージを設定した報酬プランを設定しているところもあります。

    ランプアップ期間 = 営業クオータを100%達成するまでの平均期間

    トレーニング期間と経験を基にした計算

    トレーニング期間と経験値を考慮する計算方法はシンプルです。新任の営業担当者のトレーニングに与えられた平均的な時間を、平均的な営業サイクルに加えます。また、過去の営業経験を考慮し、割り当てられた時間を調整する必要があります。

    例えば、以前に関連業務の経験がある新入社員には2週間を追加し、一方で経験のない新入社員には2ヶ月を追加する、といったようなことです。

    ベストプラクティス:経験値に応じたトレーニング内容の見直し

    採用する人を把握し、その人に合わせてトレーニングをカスタマイズすることで、経験豊富な営業担当者はより早く成長させ、経験の浅い営業担当者には、十分に時間を与えることができます。

    ランプアップ期間 = トレーニング期間 + 平均営業サイクル + 経験値

    いかがでしたでしょうか?

    営業担当者のランプアップや、目標設定などを含む、営業プランニングのベストプラクティスについては、当社のガイド「セールス プランニング ガイド(完全版)で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。