公開日 2022.07.13  更新日 2022.07.13

RevOps(レベニューオペレーション)とは?RevOpsが重要である理由

RevOpsとは、Revenue Operationsの略であり、レベニューオペレーションと言います。営業を軸に据え、部門横断的に連携を図り、全社での売上増加を加速させる取り組みです。このRevOpsによって、どのように売上増加を進めればいいのでしょうか。本ブログでは、RevOpsについて知っておくべきことと、今日の市場において企業にRevOpsが必要な理由をご紹介します。

目次

    テクノロジーによって、ビジネスが一変したことは間違いありません。データドリブンな未来予測やオートメーションなど、企業のオペレーションは、ここ5年で劇的に変化したように思われます。 

    今のところ、テクノロジーの活用には経営にプラスしかないと言えるでしょう。意思決定が強化され、実行スピードは上がり、新しい方法でお客様とつながれるようになりました。ただ、テクノロジーの利用を最適化しなければ、サイロ化や煩雑化が悪化するケースも起こっています。

    ところで、企業の収益エンジンとなる営業部門で、今までよりも多くのツール、顧客との接点が必要とされるようになりました。

    昨今のビジネスでは、売上に対して、営業だけでなく全体的に取り組む必要も出てきました。それと同時に、継続的なイノベーションと成長を促すことができる社内へのアプローチも求められています。

    さぁ、ここまで課題に触れてきましたが、どうやって解決するのでしょうか?その答えこそが、RevOps(レベニューオペレーション)なのです。

    RevOpsとは何か、どのような仕組みなのか、そして、なぜ企業がRevOpsを定着化させることが重要になのかを、ここから探っていきます。
     

      RevOpsとは何か?

      RevOpsとは、営業、マーケティング、カスタマーサクセス、財務などの部門全体で市場開拓活動の足並みを揃え、売上増加を加速させる取り組みのことです。売上創出戦略を最適化し、この戦略に影響する人材、プロセス、テクノロジーを標準化します。

      RevOpsでは、売上増加を最優先とする1名のリーダー、理想的には 最高レベニュー責任者(CRO) の下に、売上戦略を推進するリソースを配置します。これによって、売上増加という共通の目標に焦点を当てた企業文化が確立されます。

      実際には、RevOpsには以下の特徴があります。

      • 十分な情報を有し、協力的な市場開拓チームがある
      • 無駄がなく、俊敏で、効率的なプロセスになっている
      • データドリブンな意思決定とレポートがある
      • 最適化されたテクノロジーが導入されている
      • ライフサイクル全体でシームレスなカスタマーエクスペリエンスを提供できる

      RevOpsを適切に取り入れることで、企業に健全かつ予測可能な収益源がもたらされ、継続的に新たな成長機会を見出すことが可能になります。

      RevOpsが重要な理由

      RevOpsは、インテリジェントな組織を築く上で重要です。売上創出サイクルの各ステップにおいて、ビジネスインテリジェンス(BI)が、社内外のデータから意思決定に必要なインサイトを導きます。

      このBIデータが、企業の売上創出状況と売上創出に必要なリソースを詳細に可視化するインテリジェント レベニューの原動力です。過去の売上パフォーマンス、競合情報、現在の市場動向、予測などのデータを活用し、売上創出する機会を包括的かつ正確に把握することを可能にします。

      RevOpsは、インテリジェントレベニューを実現するものです。RevOpsがなければ、BIデータは各部門で閉じた個別のツール内にサイロ化されたままとなり、その力をフルに発揮することはありません。RevOpsを通じて、BIツールの価値を最大化するために必要な人材、プロセス、テクノロジーを統合し、インテリジェントレベニュー戦略を実行に移し、継続的な成長を促すことができるのです。

      このRevOpsを支える3本の柱をそれぞれ深堀りしてみましょう。

      RevOpsを支える3本の柱

      人材

      RevOpsの成功は、組織が優秀な人材を採用し、維持できるかにかかっています。RevOpsを通じて、成功に必要なデータを提供できることに加え、売上創出活動の妨げとなる面倒な作業を排除できるという2つの効能が、優秀な人材の採用と維持を促すことができます。

      マーケティング、営業、カスタマーサクセス部門は、データから得られるインサイトを必要としています。このようなインサイトがなければ、手探りで見込み客や顧客とのエンゲージメントを図らなければならなくなります。 

      例えば営業担当者は、潜在的な商談の可能性を評価するために、CRMデータを活用する必要があります。マーケティング部門では、キャンペーンの成果を把握できるツールが必要です。カスタマーサクセス部門は、顧客維持の取り組みを最適化するために、顧客からのフィードバックを管理できるツールが必要とされます。

      戦略的な責務に専念するための時間も必要です。RevOpsを導入すれば、面倒な作業は自動化で削除あるいは排除し、勤務時間を、パフォーマンス最適化に向けて管理することが可能になります。

      RevOpsを取り入れた企業では、営業担当者はデータ入力や無駄な会議よりも、営業活動に集中できるでしょう。営業マネジャーは、管理のための事務ではなく、チームのコーチングに集中できるでしょう。ベストプラクティスは共有され、パフォーマンスが上がるように調整されます。人材は、企業で最も重要な売上推進力とみなされ、評価されます。

      プロセス

      ここ数年で、変化に俊敏に対応できる力が重要であることが、かつてないほど顕在化しました。企業は、予測の難しい市場や経済状況の変化に耐える力を備えていなければなりません。そのような力を得るためには、無駄のない、効率的なプロセスを実現することが必要になります。

      RevOpsを通じて、具体的に2通りの方法でこのようなプロセスを確立することができます。

      • 自動化 - ビジネスプロセスから、時間を要する労働集約的な作業を排除すること
      • 調整 - 部門横断的に売上創出に向けた取り組みを標準化し、共通の目標に向かって集中させること

      プロセスの最適化は、RevOpsモデルの中心です。成功するRevOps戦略を実行できるかは、プロセスの効率性にかかっています。

      テクノロジー

      テクノロジーを避けて通ることはできません。テクノロジーなしに、RevOpsを大規模に実行することなど不可能です。特に収益パフォーマンス管理できるプラットフォームがあれば、売上増加を軸とした最適化されたインサイトを取得し、競合優位性を高めることができるでしょう。

      データが複数のツールやシステムに分散されていれば、各部門のオペレーションはサイロ化され、断片的な戦略しか実行できなくなります。収益パフォーマンス管理プラットフォームがあれば、信頼できる唯一の情報源が確立され、売上創出サイクル全域で、インテリジェントな意思決定が推進されます。

      RevOpsを通じてインテリジェントレベニューを実現する

      RevOpsを確実に成熟させることは、一夜にしてできることではありません。何から始めればいいのでしょうか。

      XactlyRevOps成熟度モデルは、組織がRevOpsの取り組みを開始し、能力を向上させ、成功を積み重ねていくためのロードマップを示しています。

      • レベル1:マニュアル - 組織に可視性や分析能力が備わっていない段階
      • レベル2:自動化 - 多くのプロセスはまだサイロ化されたままだが、組織が中核的なプロセスから順に、自動化に投資し始めている段階
      • レベル3:統合化 - 売上に関する複数の情報源が統合されたものの、まだサイロ化が完全に解消されていない段階。部門横断型のチームが定期的に協力し、売上増加に向けた戦略的プランについて、ある程度連携が取れている。
      • レベル4:最適化 - 組織が完全に最適化された段階。高い予測性、収益性、適応性が備わっている。

      RevOpsトランスフォーメーションは、組織の成熟度を評価し、現状を把握することから始まります。そのうえで、統一されたソリューションと実行計画を作成し、修正改善を繰り返しながらソリューションを展開し、徐々に成功を積み重ねていくのです。

      このプロセス全体を通して、KPIを把握し、優先度を設定し、進捗を追跡するほか、各ソリューションの導入前と導入後には、定期的に評価を行ってください。

      強力なプラン、一貫した取り組み、そして有能なリーダーが揃えば、RevOpsを成功させられます。

      RevOpsへのトランスフォーメーションを成功させるための詳細な方法論は、こちらのガイドをご覧ください。

      RevOpsへのトランスフォーメーションを成功させるために

      まとめ

      • RevOpsとは、組織内の全ての市場開拓チームの連携を図り、売上増加を加速させる取り組みである。
      • 企業がRevOpsを取り入れる際は、最高レベニュー責任者(CROChier Revenue Officer)がその取り組みを主導することが推奨される
      • RevOpsにより、データに基づき意思決定を下すことができる、インテリジェントな組織が実現する
      • RevOpsは、人材、プロセス、テクノロジーという3本の柱に支えられている
      • 企業はRevOpsトランスフォーメーションの取り組みの中で、Xactly4段階のRevOps成熟度モデルをガイドとして利用できる

      執筆者

      松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

      松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

      Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。

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