公開日 2022.09.21  更新日 2023.04.07

リスクをフォーキャストする意義と方策〜売上目標達成を阻害する不測の事態に備える〜

急激に変化するビジネス環境では、いかなる状況でも、正確なフォーキャストを持てていることが経営課題となっています。本ブログでは、不測の事態に備え、目標通りに売上を達成していくための抑えるべきポイントをご紹介します。

目次

    フォーキャストにまつわる悪夢のシナリオ

    営業マネージャーであるあなたの、ある金曜日の夕方を想像してください。

    チーム全体の営業パイプラインに問題は見当たらず、商談はスムーズに進み、売上目標に向けて順調に進捗しています。あなたはチームの順調な状況に満足し、PCをログオフして、帰路につきました。

    しかし、週末に大問題が発生します。月曜日の朝、PCにログオンすると、一夜にして見通しが変わり、なぜか数千万円もパイプラインが減少しています。あなたは慌てふためきます。なんとかこの状況を前のように戻したいと思いますが、そもそも何が原因で数字が下方されたのか分からないまま、上層部に状況を説明しなければなりません・・・。

     

    残念ながら、これは特別なお話というわけではありません。
    あなたが月曜日の朝、目を覚ました際に体験する可能性があることなのです。実際、多くの営業マネージャーが、このような悪夢のシナリオに直面していることでしょう。

    このような不確実なことは、世界規模での災害などが起こらずとも突然襲いかかってきます。

    今日の市場の変化は急速で、経済情勢は不安定で、世界的な変化はいつ起こってもおかしくありません。あらゆる場所で「ニューノーマル」への適応が叫ばれています。しかし、「ニューノーマル」の定義そのものが変化しているため、それに適応するのは容易なことではありません。 

    その結果、企業は、安定感と安心感を持ちながら、正確にフォーキャストすることが困難になっています。また、適切なツールやテクノロジーを駆使しない限り、外的な変化や混乱に素早く適応することは一段と難しくなります。

    >フォーキャストの概要や立て方などはこちらからご確認いただけます。

    フォーキャストをマニュアルで行うのか?

    売上予測(フォーキャスト)においては、従来のようにマニュアルで実施していくのか、それともインテリジェンスを活用するのかで、大きな差が生まれます。インテリジェンスを使えるかどうかは、利用可能なデータとその効果を上げるためのテクノロジーやツールがあるかに依ってきます。ここでは、マニュアルで実施する場合と、インテリジェンスを活用する場合の違いを見ていきましょう。

    マニュアルでフォーキャストする場合

    フォーキャストをマニュアルで管理しているのであれば、先に述べた悪夢のシナリオのように、どんな状況でも正しく売上フォーキャストを捉えることは至難の業でしょう。もちろん、CRMで各商談に修正を行い、全商談データをスプレッドシートにエクスポートし、一行ずつ調べて、見込まれていた売上が立たなかった箇所を明らかにしたりすることはできますが、現実的には誰にもそんな時間はありませんし、スプレッドシートから分かることは限られています。

    スプレッドシート上で予測を細部まで管理していたとしても、実際の売上がフォーキャストの値に届かなかった原因やそれを引き起こした根本的な問題を正確に特定できるほど、十分な情報を得ることはできません。しかも、エクスポートを実行した数分後には、実際の状況が変化する可能性もあります。 

    マニュアルによるフォーキャストでは、ビジネスで順調な部分と問題がある部分が完全に可視化されません。市場での変化などが生じた際に、意思決定の指針となるインサイトをほとんど得ることができず、最終的には直感と当てずっぽうに基づき行動しなければならなくなるのです。

    インテリジェントなフォーキャストテクノロジーを活用する場合

    こちらが、はるかに楽な道です。自動化されたインテリジェンスを備えたフォーキャストテクノロジーを導入すれば、フォーキャストの可視性と管理性が大幅に向上します。

    インテリジェントなフォーキャストテクノロジーは、全ての売上フォーキャストに関して信頼できる唯一の情報源として確立されます。変化を追跡し、トレンドをシミュレーションするために、何百ものスプレッドシートを保存する必要はありません。CRMから直接取得した実データに裏付けられるフォーキャストを立てることがポイントです。それによって、財務部門から取締役会まで、全ての主要な関係者がこのフォーキャストを信用でき、レベニュープロセスに対する確かな信頼が築かれるのです。

    インテリジェントなフォーキャストソリューションは既存のCRMと統合し、商談をより効果的に追跡できるようにする必要があります。CRMで更新された商談データがシームレスにフォーキャストにも引き継がれるため、常に最新の状態に保つことが可能になります。 

    Xactly Forecastingはインテリジェントなフォーキャストソリューションのひとつです。AIにも対応しています。セールスサイクルにおける問題や停滞しがちな箇所の存在を特定し、それらへの対策を施せます。セールスサイクルの傾向、営業担当者の行動、各商談における障害などを特定し、営業マネージャーによるコーチング、対応、売上増加プランニングを強化し、フォーキャストの精度を高めることが可能になります。

    フォーキャストそのものをシンプルに

    ここでもう一度、先ほどの悪夢のシナリオについて考えてみましょう。これまで通り、マニュアルでフォーキャストしている場合は、商談の失注原因や、商談が翌四半期にずれ込んだ原因を探るために、スプレッドシート内を探し回ることになります。 

    AI対応のフォーキャストテクノロジーを利用している場合は、レポートにアクセスし、予測が変わった正確な原因をピンポイントですぐに特定することができます。具体的には以下のような点について、容易に明らかにできます。 

    • 各商談の進捗:商談の進行に遅れをもたらしている営業担当者と見込み客の間でコミュニケーションが上手く取れていない箇所はどこか。 
    • 外的要因:見込み客が購買プロセスを一時的に停止するに至った外的な経済要因が何か。 
    • セールスサイクルの傾向:セールスサイクル全体において、商談スピードが減速しがちな箇所はどこか。または、他の製品と比べて、セールスサイクルが長い製品は何か。

    このようなインサイトがあれば、予測に起こった変化を把握できるだけでなく、営業部門全体の根本的なパフォーマンス低下要因を特定することが可能になります。また、コーチングや営業支援の改善方法、営業インセンティブや営業プロセスの調整などが必要な箇所を把握できるようになります。

    その結果、しっかりとトレーニングされた営業チームが形成され、効率的な営業プロセスが再設計され、正確な予測が立てられるようになるのです。そして最終的には、売上の創出をより効果的にできるようになります。

    AIベースのフォーキャストとパイプライン分析の力

    世の中の変化が激しい今日では、ビジネスにおいても変化は避けられないものです。経営にとって唯一の変わらないことが、まさに「変化を続けること」なのです。変化への対応力が不可欠です。インテリジェントなフォーキャストを実現すれば、どのような課題にも立ち向かうことができます。市場の混乱に直面した際に、AIベースのフォーキャストやパイプライン分析の力を利用して適応していくのです。

    インテリジェンスを導入しましょう

    売上のフォーキャストは企業の成功に極めて重要なものであり、これに基づき、組織全体で数えきれないほどの戦略的意思決定が下されています。しかし、継続的に正確なフォーキャストを立てることができなければ、企業経営に悪影響を与えます。変化が激しい中においても、売上パイプラインの健全性を包括的に示す適切なインサイトが求められているのです。 

    お客様からの突然の解約、新たな競合の出現、市場の変化などは、どれも予期せず起こる混乱です。ただ、そうした事柄は起こるものと想定し(おそらく何度も、または同時多発的に)、そのような事態に備えなければなりません。適切なフォーキャストツールがあれば、営業部門はどのような状況下においても、売上目標を達成するための体制を確実に整えることができます。 

    AI対応のインテリジェントなフォーキャストテクノロジーであるXactly Forecastingを使って、どのようにフォーキャスティングを実現できるのかは、「すぐにわかるXactly Forecastingのデモのご紹介」をご覧ください。

     

    出典

    1. Miller Heiman Group
    2. Gartner

    3. グローバルエンタープライズセールスパフォーマンス2021
    4. CSO Insights

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    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。

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