公開日 2022.07.11  更新日 2023.03.27

売上予測の精度を上げるために必要なデータについて

今期、正確な売上予測を立てるために必要なデータはお持ちでしょうか。データからどのように売上の予測をするのか、また、データから売上をさらに伸ばす可能性を見出すにはどうするのかをご紹介します。

目次

    正確な売上予測はデータが鍵

    売上を正しく予測することができれば、企業は十分な情報に基づき意思決定を下し、短期的にも長期的にもパフォーマンスを向上させられるようになります。企業が持続的にビジネスを行う上で、将来の予測精度に大きく依存しているのです。

    あなたが予測してコミットしたことを実現できなければ、どうなるでしょうか。

    「予測が外れた!?問題ない。次の四半期は頑張ってくれ。」 

    当然ながら、経営幹部の口からこのような言葉が出てくることは絶対にありません。。。

    予測を外す事態を避けるためには、予測の精度を上げる必要があります(最新のデータによると、営業リーダーの55%が予測に自信を持てていません)*1。売上目標の設定や営業プランの作成において、その成否を決めるのはデータです。

    >売上予測の立て方についてはこちらでご確認いただけます。

    ここでデータがない場合と、データがある場合の双方を見ていきましょう。

    「データがない」場合

    売上予測を提出する期日が迫ると、サイロ化されたコミュニケーションや様々なマニュアルシステムに格納されたデータの中から、時間をかけて、必死に、必要な情報を集めなければなりません。 

    営業リーダーには、変化する状況に対して、かつてなく柔軟性と適応性が求められているにもかかわらず、何かがそれを阻んでいます。それは、一体どのようなものなのでしょうか。答えは「データがない」ということです。つまり、営業リーダーは、ごく限られた情報と直感を頼りに、意思決定を下し、予測を立てているのです。

    このよくあるケースには、次の4つの問題が潜んでいます。

    • プロセスが非効率的:67%の企業では、売上の予測方法が定型化されていません *2。これでは、ミスが発生するだけでなく、結果的に売上を失うことにもなりかねません。
    • データが不正確:整理されているとしても、そのデータが正確であるとは限りません。スプレッドシートの80%にエラーが含まれていることが調査で分かっています *3
    • 営業プランと整合性がない:営業部門と財務部門は、それぞれがデータを収集しているため、データに一貫性がありません。最初から予測とプランの間に整合性がなく、何か変化や変更が発生した際に、積極的に連携を図ることや、重大な問題を特定することができなくなっています。
    • 時間がかかる:マニュアルで予測を立てることは、かなり時間のかかるプロセスです。売上予測の作成に時間をかけるほど、実際の営業活動に費やす機会が失われます。「時は金なり」なのです。
       

    長期的な問題に・・・

    実際のところ、80%の企業が、75%以上の精度で売上予測を立てることができていません *4。組織内の協力体制や売上予測の精度を高めるために必要な連携やデータが不足していることが原因です。

    グローバルエンタープライズセールスパフォーマンス2021によると、残念ながら、多くの営業リーダーは「直感」を頼りに意思決定を下していることが明らかになりました。実に53%の組織が、直感に従って、社内の意思決定を下しているのです。

    予測の精度はとても重要ですが、推測、想定、直感を頼りに予測を立てていれば、精度を確保することなどほぼ不可能です。データを信用できなければ、市場の混乱が生じた際に、俊敏に方向転換し、新たな課題を予見し、適切に適応しようとしても限界があります。

    このことは、今日の経営者にとって大きな課題です。直感に頼りすぎる判断は、複雑な状況下では危険なほど当てにならないからです。ビジネス上の意思決定には、データと分析という、もっと合理的なアプローチを取り入れるべきです。

    「データがある」場合

    データやデータに基づく分析は、ミスの可能性を減らせるだけでなく、客観的な意思決定に適切なものです。信頼できる唯一のデータソース(情報源)があれば、リアルタイムで戦略的な意思決定を下すために必要な条件が満たせます。

    長期的な解決策

    データとAI(人工知能)を利用し、十分な情報に基づくビジネス上の意思決定を下すことができれば、全体的な売上パフォーマンスが向上します。さらに、リスクの軽減、コストの削減、売上の安定にもつながります。   

    Aberdeenグループの調査によると5、需要と売上を正確に予測できている企業では、売上目標が達成される確率が7.3%、最終的な利益が向上する確率が10%も高くなります。

    予測可能で、採算性が高く、持続的な売上創出を実現するには、営業データの品質を把握することから始まります。インテリジェントな売上予測ソリューションを取り入れれば、早期に潜在的な問題を発見し、これまで把握できていなかった新たな営業機会を見出し、より良い営業コーチングを提供でき、セールスサイクルに関するインサイトを得ることが可能になります。
     

    正確なデータと信頼できるソフトウェアが成功を左右する理由 

    データ品質の高さは、精度の高い売上予測を立てるための最も重要な要件です。インテリジェントなソリューションを取り入れることで、売上予測における以下の4つの側面を向上させることができます。

    a). 営業プロセスの定型化と文書化

    営業プロセスとは、見込み客と最初に接触するところから購入してもらうまでの一連の既定プロセスを意味します。このプロセスを定型化し、文書化することで、見込み客に製品を購入してもらえる可能性を詳細に可視化できるようになります。営業パフォーマンスや売上を強化するにあたり、このようなデータがあると有益です。

    b). 売上目標の設定

    達成したい数字に基づき売上目標を設定している企業があまりにも多すぎます。妥当な売上目標を設定する上で、過去の達成パターンに関する詳細や履歴などの情報は極めて重要になります。 

    売上目標が高すぎると、営業担当者のやる気とパフォーマンスは急激に低下します。同様に、売上目標が低すぎても、営業担当者の努力とパフォーマンスは下がります。結局のところ、持続的な成長を目指すのであれば、最適な売上目標の水準を見極め、適切な数字を設定することが最も重要になるのです。

    c). 営業ベンチマークの設定

    営業データを追跡し、ベンチマークを設定することにより、パフォーマンスを測り、監視することが可能になります。営業担当者のほぼすべての活動を追跡、数値化、測定できます。経営陣はこれらのデータを基に、営業計画を策定し、有効な活動と機能していない活動を把握し、売上の更なる増加につながる変更を行うことが可能になります。

    d). 営業パイプラインの把握

    効果的なパイプライン管理により、営業担当者は各商談の進捗や、目標に対する商談数の不足などを正確に把握し、商談全体を追跡できるようになります。パイプラインを完全に把握できていれば、営業担当者は状況を整理し、優先すべき営業活動に集中できるようになるため、パイプラインの管理は売上増加を図る上で極めて効果的です。

    > 営業生産性 の計算方法や重要性、向上のための施策やツールについてはこちらの記事をご覧ください
     

    これからの売上予測のあり方

    豊富なデータへのアクセスとインテリジェントな売上予測ソリューションを組み合わせることは、正確かつ信頼性の高い売上予測を実現するための定石です。経費、成長のための取り組み、リソース配分などについて、十分な情報に基づくビジネス上の意思決定が促されます。

    Xactlyのお客様であるMetaComplianceが、インテリジェント予測ソフトウェアを導入し、売上目標の達成率を向上させるだけでなく、更なる効果も享受できた事例をご覧になってください。

    予測とは、年度目標を達成させるために、組織が1つずつ達成していくべきロードマップと考えてください。 

    プランを作成する際のコンパスとして使うだけでなく、予測する値には、営業パフォーマンス、売上、リソース見込みも含めるべきでしょう。そのためには、目標達成の道中に突如現れる曲がり角やルート変更が見落とされることがないよう、正確かつリアルタイムのデータが必要です。データの精度に対する信頼が高まれば、企業は営業データから正確かつ戦略的に予測を立てることができるのです。

    正確な売上予測で最終利益にプラスの影響を与える方法については、Xactlyのガイド「RevOpsに正確な営業フォーキャスティングが必要な理由」をご覧ください。
     

    出典:
    1.Gartner
    2.CSO Insights
    3. Xactly
    4. Intangent
    5. Aberdeenグループ

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    執筆者

    松波 孝治 Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    松波 孝治 | Xactly(エグザクトリー)株式会社 マーケティング本部長

    Xactly日本法人のマーケティングを全体統括。大学卒業後、一環して外資系IT企業にて、マーケティングはもとより、コンサルタント、経営企画などにも従事。

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